「アナドル」ってもはや死語ですよね?

dolphi2005-05-27

先日のYahoo!Newsにこんな記事が上がってました。

藪本元アナ 赤裸々告白…清原に失恋
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050521-00000020-spn-ent

日本テレビアナウンサーの藪本雅子さんが本を出しましたよ、という記事なんですが。どうして見出しがこうなってしまうんでしょうかね? スポニチなのでしょうがないのかもしれませんが、こういう揚げ足取りというか、本筋から逸れた一部をゴシップ的に取り上げるのはいかがなものかと思います。記事の中に「こんなエピソードも…」とか付記的に紹介するのはありだと思うのですが、何も見出しにしなくたって。まるでこの本が、落ち目のタレントが最後に一発当てようと業界の内情を暴露したりする本のようなイメージになってしまうのは自分だけでしょうか。ま、制作側も多少その辺の話題性というものは考慮していたのかもしれませんが*1、それにしてもちょっと屈折しすぎてやしませんかと思うわけです。。


ところで、藪本元アナと言えば1990年代前半、同じ日本テレビアナウンサーだった永井美奈子米森麻美と共に「DORA」*2 というアイドルユニットを組んでCDなど出していました。当時のアイドル像というのはいわゆる「いかにもアイドル」といった感じのアイドルだったので、「DORA」もフリフリの衣装を着て、主に「夜も一生けんめい。」などで活動していましたが正直見ていて違和感があったというか、辛かったのを覚えています。当時は「アナウンサーがアイドルの真似事をしている」という感じでしたし、やはりニュースやバラエティ番組で司会進行をする(当時の)「アナウンサー」像と、アイドルアイドルしている(当時の)「アイドル」像にはそれだけ隔たりがあったように思います。
女子アナウンサーのタレント化に関しては、元テレビ東京アナウンサーの久保田光彦氏が自身のウェブサイト*3で、

“女子アナのタレント化”は、80年代初頭「オレたちひょうきん族」の一コーナーである“ひょうきんベスト10”のひょうきんアナとして起用された山村美智子アナが、その始まりであるという点では意見が一致するだろう。
(中略)
アナウンサーがバラエティー番組に出てタレントと同じように振る舞うという事は、その当時、実に意外でありまた斬新であった。
(後略)

などと考察を行っています*4。『おれたちひょうきん族』における「ひょうきんアナ」がどんなものであったかに関してはよく知らないので言及は避けたいと思いますけれども、当時フジテレビが仕掛けたその様な路線に呼応した一種の最終形態が、日本テレビの「DORA」だったのではないか、などと思ったりするわけです。
「最終形態」と書いたのは、「DORA」を頂点としてこれ以降、「女子アナ」像においても「アイドル」像においても変革が起きたと言えるので、旧来の「女子アナ」「アイドル」像の融合形態としての「終着点」が「DORA」であると言いたかったからです。「DORA」の実質的な活動期間は1993年前後ですが、それ以降「女子アナ」像の変遷という意味では、それまでは「テレビ局の社員」であったものから「女子アナ」という一つのジャンルが確立−「テレビ局の社員」でありながら、タレント・芸能人と同等の「アイドル」でもあるという、中間的な存在として−されていく点が挙げられます。また「アイドル」像の変遷という点から言えば、それまでは「いかにもアイドル」であり、現実世界とはある種隔絶した世界の住人であった「アイドル」像がある種の崩壊を起こし、「気が付けば隣にいそうな」感じの「アイドル」像というものが形成されていったという点が挙げられるでしょう。「女子アナ」像と「アイドル」像が双方歩み寄ることによって「女子アナ」ブームが起こり、そしてそのブームが当然のこととして定着した「現在」に到るのではないかと思います。


(続くかもしれません)

*1:しかし版元の新潮社のWebページ(http://www.shinchosha.co.jp/cgi-bin/webfind3.cfm?ISBN=476401-9)を見るとやはり特にそういう事を全面に押し出そうという記述は無いので、まあそういうことなのでしょう。

*2:この名前はMi-Keに対抗して付けられたらしい。⇒http://www.annie.ne.jp/~kirara/Jyoshiana/R-Jyoshianna.html Mi-Keに関してはhttp://ja.wikipedia.org/wiki/Mi-keを参照。

*3:http://www.max.hi-ho.ne.jp/kubota-m/framepage2.html

*4:http://www.max.hi-ho.ne.jp/kubota-m/column.folda/column-1ana.html