嗣永桃子さんのこと。

このブログを創めていくに当たって、まず、彼女のことに触れておかねばならないでしょう。
先日、Berryz工房のミニライブ&握手会に連れて行ってもらいました。
握手会というのは直に彼女たちに会える貴重な場なのですが、どうもあまり好きではありません。整理券等を配り人数をある程度絞った握手会ならば何も眉を顰めることはこれっぽっちも無いのですが、整理券を配るにしても膨大な数だったり、もしくは人数無制限の握手会などはどうしても好きになれません。彼女たちの負担というものを余りにも軽視しているとしか思えないからです。この日も整理券無しの握手会、なおかつ5連続強行日程の最終日と言うことを後に聞いて、正直卒倒しそうになりましたが、行くことにしました。以前はその様な事を聞いては事務所のやり方に憤り、また行くものかと考えていましたが、しかし自分がただ部屋で憤っていても、何が解決するわけでもなく。ならば行って、本当にお疲れ様の握手をした方が良いのではないかと考えたのです。まことに都合のいい結論なのかもしれませんが…。


当日。
正直、(音声付きで)動いているBerryz工房のメンバーを見るのはこれが初めてでした。今までは静止媒体でした見ていなかったのです。
メンバーの自己紹介が始まりました。そして、愕然としました。
確か一番初めは嗣永さんの自己紹介だったと思いますが。


完璧でした。


完璧すぎたのです。
こう言うと気分を害される方がいるかもしれませんが(申し訳ありません)、感じたままに言ってしまえば、そこにいるのは作られた「嗣永桃子」という像でした。
別にそれが悪いとは思いません。むしろあの天賦の才能は凄いと思います。しかし、それまでどちらかといえば彼女たち*1 のスタンスを「自然体」だと思っていた自分には大きな衝撃でした。とにかくショックでした。ステージを見つめながら、暫く呆けてしまっていました。良く分からないのです。自分が今まで考えていたものと目の前に展開されているものがぶつかり合って―それは本来イコールであるべきものであるのに―いるのです。本当に、良く分からないのです。
結局、その様な何か鬱屈した衝突を中に抱えつつ、ステージ上のミニライブを見ていました。


結論を先に言ってしまえば、その後、上で書いたような云々に考えは(一応)まとまる訳なのですが。それをふまえて、というか。以下。


ミニライブ後に握手会が行われました。ものすごい人数との握手。自分は最後の方でしたが、僕らにも分かる程に、彼女たちは疲弊していました。途中休憩を挟みながらにも関わらず、です。
ステージ上での握手会なので、待機している観客席からはその様子が良く見えるのですが。
ひとりひとりに、きちんと頭を、大袈裟なぐらいにさげて握手している娘。
それが、嗣永桃子さんでした。
本当に、本当にひとりひとりに。
膨大な人数。終わりの見えない列。なのに、ずっと、ずっと最後まで。



自分の番がやってきました。
「ありがとうございました!」
どのメンバーもみんなそういって、手を差し出してくれます。
「ありがとうございました!」
僕もひとりひとりに、精一杯の気持ちをこめてそう伝えました。


傍から見たら滑稽かもしれません。僕とメンバーの間で「ありがとうございました!」の応酬合戦になってるんですから。でも、ちっとも可笑しくなんかなかったんです、自分は。


誰が、というわけではなくて、あの日は全員が一生懸命でした。その全員がヒントを持っている中で、くれたのがたまたま嗣永さんだったという、ただそれだけのことです。
ただそれだけのことですが、でもそれは多分すごく重要な事だったんじゃないかと思います。何かと言うのは良く分かりませんが、でも多分。

*1:Berryz工房に限らず。