ローティーンアイドルは市民権を得たか?(4)

dolphi2005-05-17

前項はid:dolphi:20050514:1116040014。
とうとう4回目になってしまいました。
ただまとまりもなく、ダラダラと続けることが無意味なのは分かっているつもりですし、自分もいい加減早く「チャイドル・ブーム」の頃の事を書きたいのですが、しかしその前に触れておかなければならないと思うのが、前項では紹介だけで終わってしまった映画『トイレの花子さん』です。

移行期

どうも「チャイドル・ブーム」の下地には、それよりも幾分早くやってきた小中学生の間での「怪談ブーム」が存在しているという点に気がつきます。この映画もその様な「怪談ブーム」に乗って作られた映画のひとつですが、この映画に限らず「学校の怪談」を扱う映画の特徴として、子役が大勢出てくるということが挙げられます。まあ、学校が舞台の映画なのですから当然といえば当然なのですが、しかしこれは大きなポイントです。これによって「(特定の個人ではない、広範な意味での)子役」というファクターが持つ魅力が前面に押し出された、と言えるでしょう。
特にこの松岡錠司版の『トイレの花子さん』は、そのような意味でも非常に優れた作品であったと思います。ストーリー構成にやや分かりにくい点はあると思うのですが、しかし「大塚寧々−豊川悦司」という大人向けのキャストを建前の軸として一応設定していながら、実際はそれはサブ・ストーリーに過ぎず、「河野由佳−井上孝幸−鈴木夕佳」という相関図を用意しておいて小学生のラヴ・ストーリーをメインに持ってきてしまっている点には瞠目しました。正直、子供と観に来ていてラストシーンで「あわわ」となったお父さんお母さんも多かったはずです。*1
映画においてはこの松岡版『トイレの花子さん*2 以前にも『1999年の夏休み*3 がありましたが、当時としては実験的/前衛的過ぎたように感じます。もちろんこれは良い意味で言っているのですが、しかしやはり一般的には成り得なかった様に感じます。少女が少年を演じると言う性の倒錯や日常と隔離された空間、そして生と死という作品の雰囲気・モチーフといったものは、僕は好きなのですが。

id:dolphi:20050520:1116552958へ続く)

*1:詳しくはビデオを… と言いたい所なんですがこれビデオ発売したんだったっけ…? レーザーディスクは発売していたんですけどもね。たしかVHSはレンタルのみだったような気が…(そしてその為にレンタル落ちの中古を、駆けずり回って必死で探していたような…)。amazonでも検索に引っ掛からないので、ひとまず保留。

*2:トイレの花子さん』と題する作品は、映画やらVシネやらがこの後色々出ていて紛らわしいので、便宜上ここでは1995年公開のものをこう書く事にします。

*3:1988、日本。監督:金子修介 松竹配給